近年、テレビCMや書籍でも頻繁に取り上げられるようになったサブスクリプションという言葉。略してサブスクです。

そもそもサブスクリプションとは、どういうものなのでしょうか。

サブスクリプションとは?

サブスクリプションという言葉そのものは、最近できた造語ではなく、昔からある英語の名詞です。

辞書を引くと、以下のような翻訳を得ることができます。

予約購読、予約代金、予約出版…etc

 

この言葉は、辞書や翻訳サイトによって様々な日本語に変換されます。少し特殊な難しい言葉のようです。

 

今の日本において捉えられているサブスクリプションから想像される、

「定期的に一定の金額を支払えば、その期間はサービスを享受することができる」
という概念そのままの翻訳とはならず、日本語で一番近い意味は”予約購読””予約代金”という言葉となります。

 

”予約講読”というキーワードで一番簡単に想像できるものといえば、新聞配達サービスでしょうか。

新聞配達サービスは、少しだけ要素を分割すると、

  • 毎月一定の金額を支払うこと
    で、
  • あなたの家のポストに毎日
  • 新聞を
  • 早朝に投函する

というものであることがわかります。

「毎月一定の金額を支払うこと」という部分が、もう1つのキーワードである”予約代金”という概念も含まれています。

新聞配達サービスがいつの時代に登場したサービスなのかはわかりませんが、
古くからあるサービスであることは間違いありません。

 

さて、ここで疑問が湧きますが、言語の翻訳レベルだと”新聞配達サービス”はサブスクリプションですが、

こと日本において、新聞配達サービスが”サブスクリプション”と呼ばれたことは記憶にありません。

また新聞配達サービス以外にも「定期的に一定の金額を支払えば、その期間はサービスを享受することができる」というサービスはたくさんあります。

身近にあるサブスクリプション例

例えば、保険商品、進学塾、○○教室(レッスン)、賃貸マンション、電気・ガス代など、
それはもう当然のごとく私達の生活の中に既に存在しているサービスがたくさんありますが、

それらは新聞配達サービス同様にサブスクリプションと呼ばれる、呼んでいることは(おそらく)ないでしょう。

 

ということは、近年において取り上げられているサブスクリプションというサービスは、
上記の古くからあるサービスとの間に何らかの違いがあることになります。

マイクロソフトもサブスクリプション

では、逆に近年においてクローズアップされている”サブスクリプション”のサービスはどういうものなのでしょうか。
いくつかのサービスを上げてみます。

 

・Apple Music、Spotify(音楽配信サービス)
・Hulu、Netflix(動画配信サービス)
・Office 365、Adobe Creative Cloud(ツールが使える)

 

上記海外発のサービスは説明するまでもなく、既に私達の生活や企業でも多く利用されていることでしょう。

日本発のサービスとしてKINTO(自動車)、ラクサス(ブランドバック)等がTVCMなどが放映されていることもあり、
名前を聞いたことをある方もいるかもしれませんが、おそらく使ったことがない人のほうが多いでしょう。

 

とりあえず手当り次第にあげてみましたが、これらのサービスがサブスクリプションと呼ばれ、
私達の生活に根付いている既存のサービスがサブスクリプションと呼ばれない理由を考えてみます。

 

ITデジタルが活用されているかどうか

近年においてサブスクリプションとしてクローズアップされたサービスについては、間違いなくITデジタルが活用されています。
簡単にいうとスマホやPCを通して提供されるサービスということになります。

 

これらのサブスクリプションサービスが提供されるまで私達は、

・音楽が聞きたければ音楽ショップにいき、CDを購入する。
・映画が見たければ、映画館に行く。海外ドラマが見たければ、レンタルDVDを借りてくる。
・ExcelやWordが使いたければ、利用権を購入するため、家電量販店等に行く。

等などの必要がありました。

でも今は音楽ショップに行く必要も、映画館に行く必要も、家電量販店に行く必要もありません。

インターネットを通じてスマホやPCで対象サービスを契約し、アプリやデータをダウンロードするだけです。

CDや映画館というモノに特別なこだわりがない一般人には非常に便利なサービスで、私達の生活を変えてしまいました。

モノではなくコトを提供しているかどうか

抽象的な言葉わかりづらいものですが、サブスクリプションと呼ばれない既存サービスは”モノ”が中心のサービスでした。

ここでいう既存サービスにおける”モノ”とは具体的にいうと、以下のような事例があります。

 

・新聞配達    → 新聞を毎朝届ける
・保険商品    → 癌になったらXXX,XXX円をお支払い
・進学塾     → 1時間X,XXX円の授業、毎月NコマでNN,NNN円
・賃貸マンション → 1ヶ月XX,XXX円のNN平米の部屋

 

もちろん例外はありますが、上記のとおり”モノ”は企業が提供するサービスそのものを指しています。

それに対して”コト”はどういうものなのか、これはユーザの目線と目的をもって考えるとわかってきます。

 

・新聞配達    → ユーザの目的は、世界で起きた情報を知識として仕入れる”コト”
・保険商品    → ユーザの目的は、病気になっても今までと変わらず安心して暮らせる”コト”
・進学塾     → ユーザの目的は、自身の子供を目的の学校に入学させる”コト”
・賃貸マンション → ユーザの目的は、快適で安全な生活を実現できる”コト”

 

新聞でいう紙面、配達は目的を達成するため手段における”モノ”でした。

同様に進学塾の授業、賃貸マンションの空間の提供も、
あくまでもユーザが目的を達成するための手段における”モノ”でしかありません。

 

それに対して、Apple Musicは”モノ”ではなく好きな音楽、多くの音楽をを聞ける”コト”を、
Huluも同じく好きな映画やたくさんのドラマを観る”コト”を提供します。

その過程に音楽CDや映画DVD、映画館は必要ありません、スマホやPCがあれば良いのです。

 

これを換言すると”コト”はユーザに対して、ユーザの目的の達成を主眼においたものであり、
何らかの具体的な”体験”を約束するサービスということができるでしょう。

 

ということで、近年においてサブスクリプションとして取り上げられているサービスについては、
「ITデジタルが活用されていて、モノではなくコトを提供している」ものだと考えることができそうです。

 

「毎月一定額を支払うことで、相当のサービスを受け取る」という考えは、上記に含まれこそすれ、
そういうサービスの提供形態に変化させるだけは、「今流行りのサブスクビジネス」とはならず、
サービスを提供することを商品”モノ”目線から、ユーザの”コト”目線に変えていく必要があるのです。