企業がサブスクリプションに期待できるビジネスモデル

現代におけるサブスクリプションとはどういうものなのかを考えてみましたが、

あなたのビジネスにサブスクリプションを採用することで、

サスティナブルな事業の成長につなげてこそ、意味があるというものです。

サブスクリプションを導入する前に考えたいこと

逆にいえば、サブスクリプションを導入することだけを目的としてしまうようなケースはもちろん、

導入しても将来的な事業の成長につながらないのであれば、当然ながらサブスクリプションを導入する意味はなく、

ただ流行りものに手を出しているだけということになり、そのような事態は避けるべきであります。

 

そこでまず、あなたのビジネスになぜサブスクリプションを導入するのか、

そもそも導入できるのか、導入したことでサスティナブルな成長につなげることができるのか、

をまずは考えるべきでしょう。

ここをしっかりと考えないと、前述のとおり導入することだけが目的となり、

後の事業としての足枷となるのは間違いないでしょう。

 

別の記事にて書いておりますが、現代のサブスクリプションビジネスであれば、

「ITデジタルが活用されていて、モノではなくコトを提供している」という思考を外してはいけません。

「定額課金で継続的な利益が見込めそうだから」とか「あの大企業さんも始めて成功しているみたいだから」とか、

あなたの思考がそのレベルで止まっているようであれば、

今一度考え直さないといけないということになりそうです。

サブスクリプションとはモノではなくコトのサービス提供

上記のような思考で止まってしまう根底に見つかる問題点として、

「今ある商品・サービスを中心としたビジネスの視点を変えることなく、商品・サービスの提供方法や課金方法だけを変える」

という前提になってしまっているケースが多いかと思われます。

 

  • 毎月○千円で毎日1杯ラーメン食べられます
  • 毎日コーヒー1杯飲めます

 

など、

飲食店がこういうサービスを始めるとサブスクリプションを導入したと話題になることも多いですが、

文字通りに定額制としただけであれば、正に前述のケースにぴたりと当てはまります。

 

単純に考えますと、1杯300円のコーヒーを毎月3,000円を支払えば毎日1杯飲めますというサブスクリプションとした場合、

本当に毎日(=約30日)訪れる客は1杯100円で飲めるので、毎月6,000円もお得にコーヒーを飲めることになります。

逆に10日以下しか来店しない客は損するだけです。

どうして商品の定額サービスだとライバル店に取られてしまうのか?

なんとなく結末は想像できると思いますが、毎日来店する客は金額がお得なので継続してサービスを利用し

10日以下しか来店しない客は、定額制のサービスをやめるということになる可能性が高いでしょう。

また、近辺のコーヒーショップが毎月2,500円で毎日1杯飲めますというサービスを始めたら、

今までお得に飲んでいた客の気持ちさえも、わかったものではありません。

改めて説明するまでもないと思いますが、このようなサブスクリプションのケースは、

「ラーメン」や「コーヒー」という商品が中心であることが変わっていないため、

ユーザにとってのメリット・デメリットが金銭面のみ=得か得じゃないかだけとなってしまいます。

 

ITデジタルも活用されておらず、モノを提供しているだけであり、

換言しますと上記の定額制のケースは「回数券」や「定期券」を導入することと全く同じです。

なぜそれをサブスクリプションという名前を付して導入するのか、よく考えてみるべきです。

 

では、どのように視点を変えれば、現代的なサブスクリプションビジネスになるのでしょうか。

 

まずモノであるラーメンやコーヒーは視点の中心から一度外しましょう。

そしてユーザにモノではなくコト=体験や価値を提供するために、

現在どんな課題があり、それをどのように解決すれば顧客にコトとして提供できるのか、

それを中心に考えるようにすることで、着実に近づいていくことができるはずです。

IOTを活用した企業のサブスクリプション導入例

少し具体例を。あくまでも参考例です。

コーヒーショップAがあり、ビジネスマンや学生の憩いの場所として利用されるケースが多い店とします。

課題として、レジ前に長蛇の列ができ、座る席も確保しずらい、が仮にあるとします。

自慢の美味しいコーヒーがあっても、ユーザはレジ前の長蛇の列や、座る席が確保できない状況から、

「うわ今日も混んでるな、別の店にしよう…」となってしまいがちです。

 

上記のコーヒーショップAの課題を解決するにあたっては、

コーヒーそのものに視点を当てても、解決できないことは自明の理です。

 

ユーザはコーヒーショップAで美味しいコーヒーを飲みながら、

朝の通勤・通学前に仕事や勉強をすること、お昼時に友達と会話を楽しむことをしたいわけなので、

そのような体験をITデジタルと既存の空間や商品を活用して提供できないかを考えることが必要です。

例えばスマホアプリを使って以下の仕組みが提供できたらどうでしょう。

コーヒー店のサブスクリプションとIOTの具体的な導入事例

 

  1. ★月○円の有料会員様には、より一層快適な時間をお届けします★
  2. アプリから事前にお席を予約することができます
  3. 注文や会計もレジに並ぶことなくスマホを使って自席から
  4. クーポンなどお得な情報の定期的に配信

 

これであれば視点がモノ(コーヒー)ではなく、コトになっています。

レジの長蛇の列に並ぶことなく、座る席も間違いなく確保できる、という体験をユーザは得るわけです。

 

もちろん上記のように「体験」にどこまで価値を見出すかどうかはユーザ次第ですが、

この「ユーザ次第」というのが重要なポイントであり、単純な金額だけの比較になっていないということです。

 

アプリで席が予約できる、レジに並ぶ必要がない体験に価値を感じてサービスを利用しているユーザは、

例えば隣のコーヒーショップBが、多少金額の安い美味しいコーヒーの提供を始めても、

席の予約もできず、レジに並ぶ必要がある場合は、コーヒーショップAを支持し続ける可能性が高いです。

 

なぜなら、そのユーザにとっては店内にいる時間を快適に過ごすことに価値をおいており、

コーヒーの多少の金額差はそれ以下の価値と思っているわけだからです。

 

またそういう快適な体験をなくしてまで、別の店に行こうかなと考えるには、かなりの思い切りが必要だったりします。
(こういう保とうとする思考の傾きを現状維持バイアスと呼んだりします。)

今契約しているスマホのプランより、もっと安くて良いプランを他社が出しても、

乗り換えたほうが良いかなーと思いつつも、実際はそう簡単には乗り換えないということと同じです。

 

とはいえ同じ体験だけを与えるだけではいずれ離れてしまうので、

新規サービスの追加や継続的な改善などが絶対的に必要でもあります。

サブスクリプションは”ユーザとの継続的な関係が続く”ことが大事なのであり、

その継続的な関係から得られるデータなどを生かして、事業をサスティナブルな成長につなげなくてはいけません。

特定のビジネスモデルに限った話ではなく、そういう視点を持てるかどうか。

体験を与える・IOTを活用することを許される事業かどうかが、導入における期待度と一致することになるでしょう。